営業のプレイヤーとマネージャー、どちらが向いている?

営業職では、「成果を出したらマネージャーになる」というキャリアが一般的だと思われがちです。しかし、すべての営業が管理職を目指す必要はありません。営業そのものを極めるという道も、立派なキャリアです。
📌 この記事のポイント
- 営業のプレイヤーとマネージャーでは、求められる能力が大きく異なる
- プレイヤー向き=自分で目標を立て行動し、成果を出すことにやりがいを感じる人
- マネージャー向き=人の成長やチームの成果に喜びを感じる人
- 営業スペシャリストという選択肢は、高い市場価値をもつ
- 「昇進すること」を目的にしないことが大切
プレイヤーとマネージャー、求められる能力は別物
まず前提として、この2つはまったく異なる仕事です。
プレイヤーに向いている人
- 自分で目標を設定を行い、行動に移し、成果を出すことにやりがいを感じる
- 顧客との商談や受注そのものが好き
- 自分の専門性を高めていきたい
- 成果が自分の努力に直結する感覚を大切にしたい
マネージャーに向いている人
- 人の成長やチームの成果に喜びを感じる
- 自分が直接売るよりも、他人を支援して成果が出ることにやりがいを感じる
- 全体を俯瞰して、リソース配分を考えるのが好き
- 組織の課題を構造で捉えるのが得意
もちろん、どちらが上ということではありません。
管理職にならないキャリア=営業スペシャリスト
では、マネージャーにならない場合、どんなキャリアがあるのか。
代表的なのが営業スペシャリストという道です。
- エンタープライズ営業:大手企業を担当し、複雑な意思決定プロセスを攻略する
- 高単価・無形商材の営業:形のない価値を、大きな金額で納得してもらう
- ソリューション営業:顧客の経営課題を理解し、複数の関係者を巻き込みながら提案を進める
こうした営業では、単純な商品説明ではなく、顧客の課題を理解し、社内外の関係者を動かしていく能力が必要になります。
トップ営業として成果を出すことで、管理職にならなくても高い市場価値を持つことができます。
ただし、スペシャリストにも条件があります
ここは正直にお伝えしておきたいところです。
スペシャリストを目指すなら、「売上が高い」だけでは不十分です。
必要なのは、この2つ。
- なぜ売れるのかを説明でき、再現性のある営業能力を持っていること
- 特定業界の専門知識や、大手顧客との折衝経験など、自分ならではの強みがあること
「たまたま担当が良かった」「会社の商品力で売れていた」という状態だと、環境が変わったときに通用しません。
逆に、「この業界の、この規模の企業に対して、こういう課題を起点に提案すれば受注できる」と説明できる人は、どこへ行っても価値があります。
昇進を目的にしないこと
いちばん避けたいのは、「昇進すること」自体が目的になってしまうことです。
マネージャーになれば給与が上がるから。周囲が管理職になっていくから。会社から期待されているから。
こうした理由だけで進んでしまうと、向いていない仕事を長く続けることになりかねません。マネジメントは、うまくいかないときの負荷がかなり大きい仕事でもありますから。
自分がどんな仕事にやりがいを感じ、どんな能力を伸ばしたいのか。そこを考えたうえで、プレイヤーとマネージャーのどちらを選ぶのかを決めたいところです。
💡 ここだけ押さえておきたいこと
- 「管理職にならない=キャリアアップではない」と考える必要はない
- 営業スペシャリストとして成果を出し続けるキャリアもある
- 自分の強みをどこで最大化するのかを考えることが、キャリア設計の本質
判断に迷った時は、問いを立てる
それでも判断がつかないときは、この問いが役に立つかもしれません。
「後輩が成果を出したとき、自分が受注したときと同じくらい嬉しいか?」
ここで素直に「嬉しい」と思えるなら、マネジメントに向いている可能性があります。
逆に「それはそれで嬉しいけれど、やっぱり自分で獲りたい」と感じるなら、プレイヤーとして専門性を高める道のほうが、力を発揮できるかもしれません。
そしてもう一つ。この選択は、一度決めたら変えられないものでもありません。
マネージャーを経験してからプレイヤーに戻る人もいますし、スペシャリストとして経験を積んでから、あらためて組織を率いる立場になる人もいます。
大事なのは、今の自分がどちらに力を注ぎたいのかを、自分の言葉で説明できることだと思います。
