なぜ「給与の3倍の売上」が必要か|1人の売上が利益になるまで

「給与の3倍の売上を上げる」。営業組織ではよく使われる目安ですが、そもそも、なぜ3倍なのでしょうか。

📌 この記事のポイント

  • ポイントは、会社にとって売上のすべてが利益になるわけではないことにある
  • 例えば年収500万円の営業社員を考える
  • 仮に原価率が40%なら、1,500万円の売上に対して原価は600万円
目次

売上→原価→粗利→給与→各種コストの流れ

ポイントは、会社にとって、売上のすべてが利益になるわけではない、というところにあるんです。

たとえば、年収500万円の営業社員を考えてみましょう。年間売上1,500万円をつくれば、給与の3倍の売上を達成したことになります。でも、会社に残るのは1,500万円ではないんですよね。

仮に原価率が40%だとすると、1,500万円の売上に対して原価は600万円。粗利は900万円になります。ここから本人の給与500万円を支払うだけでも、残るのは400万円なんです。

さらに、会社が負担する社会保険料を給与の約15%とすると75万円。採用費、教育費、PC・システム、交通費などを年間50万円と仮定すれば、残りは275万円になります。だいぶ減ってきましたよね。

そして会社には、人事・経理・総務・経営などの間接部門の人件費、オフィス賃料、採用活動、広告、システム利用料などもあります。これらの販管費も、営業社員が生み出した粗利から負担していかなければならないんです。

つまり、年収500万円の社員が売上1,500万円をつくっても、「500万円の給与に対して1,000万円儲かった」という話ではないんですよね。

実際には、

売上1,500万円

原価600万円

粗利900万円

3倍はあくまで目安。原価率で必要額は変わる?

給与500万円

会社負担社会保険料75万円

採用・教育・IT等50万円

残り275万円

となります。

この275万円から、さらに共通の販管費を負担して、ようやく営業利益が残るんです。

だから「給与の3倍の売上」という基準には、一定の合理性があるんですよね。売上の3分の1程度が給与に充てられる構造であれば、残りの3分の2から原価、社会保険、採用・教育、設備、間接部門などのコストを負担する余地が生まれるからなんです。

ただし、3倍は絶対的な数字ではありません。原価率20%のビジネスと60%のビジネスとでは、必要な売上が大きく違ってくるんです。たとえば原価率60%なら、売上1,500万円でも粗利は600万円しかなく、年収500万円の社員を維持するだけで、余裕がほとんどなくなってしまうんですよね。

つまり、本質は「給与の3倍売れば必ず黒字」ということではないんです。

大切なのは、社員一人が生み出す売上から原価を引き、そこから人件費と会社全体のコストを負担して、最終的に利益を残せる構造になっているかどうか。ここなんですよね。

まとめ

給与の3倍という数字は、その構造を理解するための分かりやすい目安にすぎないんです。自分の給与だけを見るのではなく、自分が生み出した売上が、原価、人件費、販管費を経て、どれだけ会社の利益に変わっているのか。そこまで考えてみて初めて、自分の生産性を正しく捉えられるのではないでしょうか。

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